タイの山奥では、
「大勢の子供が、小中学校で落第している」
という、非常に深刻な問題があります。
そして、
この問題にさらに拍車をかけているのが、
先日お話しした、「中国語塾」です。
山奥の村では、
「中国語塾に通っている子ほど、
学校の成績が悪い」
「中国語塾に通っている子ほど、
落第する率が高い」
という、まるで冗談のような、笑えないデータがあります。
これは、
中国語塾で時間を取られすぎてしまうために、学校の勉強がおろそかになり、
成績がどんどん落ちていってしまうからです。
「本末転倒」
とは、まさにこのことです。
なので、本来であれば、
こういう子供たちの親は、
「何とかして、我が子を、落第させないようにしなくちゃ!」
と、考えるべきですよね。
そして、
「中国語塾なんて、通わせている場合じゃない!」
ということに、おのずと気がつきそうなものなんですが、
中国語熱は、冷めるどころか、高まる一方です。
どういうわけか、山の人たちには、
小中学校の成績<<<中国語のスキル
という認識があります。
こうした事情から、
「山の子供たちは、なかなか成績が上がらない」
という問題が、慢性化してしまっているわけです。
たとえ、学校の成績が悪くても、
百歩譲って、中国語がペラペラなら、まだ救いはありますよね。
でも、当然ながら、
小中学校で落第するような子供は、中国語も、大して身に付きません。
せいぜい、カタコトの挨拶ていどです。
しかし、親は中国語が分かりませんから、
「我が子が、どれぐらい、中国語を身に付けたのか」
ということが、
見てわかりませんし、
見ようともしません。
「中国語の習熟度」には関心がなく、あくまでも、
「中国語学校に通わせているか、否か」
ということばかりが、重視されてしまっているんです。
こうして、
親にとっても子にとっても、全くメリットのない「中国語塾」というものに、貴重な時間とエネルギーを奪われ続け、
学校の成績は、どんどん落ちていく…
という悪循環に、陥ってしまっているわけです。
すると、ここで気になるのは、
「なぜ、それほどのリスクを抱えてまで、山の人たちは、中国語の勉強を優先させようとするの??」
という点ですよね。
この点については、また後日お話しします。
(つづく)