【アカ語】タイの少数民族の言語、アカ語ってどんな言語?

この章では、タイの少数民族である「アカ族」たちが話している、「アカ語」について、見ていきましょう。

【アカ語初級講座】目次

第1章 発音

声調~アカ語の声調は全部で5つ
母音(1)~「ア」「イ」「ウ」
子音(1)~日本語にない「カ」と「ガ」の音

第2章 会話

あいさつ(1)「ご飯食べた?」
あいさつ(2)「どこ行くの?」

はじめに

アカ語は、彼らが居住するタイやベトナムの言語とは系統が全く別で、完全に独立した言語です。

タイに居住はしているものも、タイ語とはぜんぜん違う言葉なんです。

アカ語はどこの言葉と似ているの?

言語学の分類で言うと、アカ語は、

チベット・ビルマ語派

という分類に属します。

「チベット・ビルマ語派」と聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが、

要は、その名の通り、「チベットやビルマ(ミャンマー)の言葉とよく似ている」ということです。

そのため、周辺各国のなかで、アカ語と最も似ているのは、ミャンマー語やチベット語などです。

「ミャンマー語やチベット語と似ている」と聞くと、

なんだか「すごく難しいんじゃないの?」と考えてしまうかもしれませんが、

じつはアカ語をはじめとする、これら「チベット・ビルマ語派」の言語は、日本語と文法がほぼ同じなんです。

アカ語ってどんな言語?

では、アカ語、ミャンマー語、そしてチベット語、これらの言語に共通する特徴を、ざっと挙げてみましょう。

●文法は、「主語+目的語+動詞」の順番

アカ語では、目的語が動詞よりも先に来ます。
「私 畑 行く」という順番ですから、これは日本語と同じですよね。

●「てにをは」がある

誰々が、何々を、どこどこへ、と言う時の、「が」や「を」当たる言葉が、アカ語やミャンマー語にもあります。
これまた日本語と同じですので、日本人には理解しやすいです。

●動詞の語幹がある

動詞の語幹というのは、動詞の中の「活用しない部分」ということです。

例えば日本語の「行く」であれば、

「行かない」「行きます」などのように、語尾が変化しますよね。

でも、頭の「行(い)」の部分だけは変わりません。

この変わらない「行(い)」の部分のことを、「動詞の語幹」と呼びます。

アカ語やミャンマー語の動詞にも、変わる部分と変わらない部分とがあります。

そのため、アカ語の動詞を話すときは、まず語幹を覚えて、その語幹に「肯定」や「疑問」の語尾をつなげて話す、という手順になります。

●動詞の語幹だけでは文として成立しない

そして、動詞の語幹でもう1つ、重要なことがあります。

それは、先ほどの「行く」の例であれば、

「行(い)」だけでは文として成立しない、ということです。

日本語では、「行(い)」という語感の後ろに、「く」や「きます」などの語尾を添えて、

初めて「行く」「行きます」という文として成立しますよね。

これは、アカ語やビルマ語にも共通している特徴なんです。

●アカ語で「行く」は「イ」と言う

これは全くの偶然ですが、アカ語でも、行くことを「イ」と言います。

そして、日本語同様、「イ」だけでは、文として成立しません。

アカ語では、

「~メェ(肯定)」や「~マラー(疑問)」などの語尾を続けて、

・「イメェ(行きます)」
・「イマラー(行きますか)」

という形にして、初めて文として成立するわけです。

こうしてみると、日本語とよく似た文法事項がかなりあります。

そのためアカ語は、日本人には非常に習得しやすい言語だと言えます。

アカ語は、文法も発音もすごく簡単!

前項でご紹介したように、アカ語の文法は、「主語+目的語+動詞」の順です。

そのため、私たち日本人にとっては、

覚えた単語をそのまま並べるだけで、アカ語を話すことができます。

人称変化や冠詞、時制による変化などもなく、難しい文法事項は一切ありません。

日本語を話すときと全く同じ感覚で、単語だけを日本語からアカ語に入れ替えれば、すぐにアカ語を話すことができるんです。

カタカナだけでも十分発音できる

また、アカ語には特に難しい発音もなく、カタカナだけでほぼカバーすることができます。

そのためこのサイトでは、アカ語の発音はすべてカタカナで表記してあります。

私たち日本人にとっては、アカ語はかなり習得しやすい言語だと言えます。

まとめ

今回は、タイの少数民族である「アカ族」の話してる言語、「アカ語」の大まかな概略について、ご紹介してきました。

このサイトでご紹介しているアカ語の内容は、

発音や声調、単語、文法など、多岐に渡りますが、基本的には、「1ページ1項目」という形式にしてあります。

これは、「空き時間にスマホで読む」ということを想定しているためです。

ウィキペディアのような、難解な学術的内容ではなく、あくまでも読み物として、楽しむながらお読み頂ければと思います。

興味があるページだけをパラパラと読み流して頂ければ、自動的にアカ語のフレーズや知識が頭に入るよう、構成してあります。

それでは、ページ冒頭の目次、あるいはツールバーの記事名一覧から、各章へお進みください。

一緒に、楽しみながら、アカ語の勉強を続けていきましょう!

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