今回は、日本の「謎の習慣」というか、
日本人のよく分からない考え方についてのお話です。
うちの娘は、日本人とアカ族とのハーフなので、
日本人の習慣とアカ族の習慣、両方を知っています。
そんな娘が、両国の文化について何気ない発言をすることがあるのですが、
そこから意外な気づきを得ることがあります。
先日、娘を連れて、日本人の大人たちの飲み会に出席しました。
参加者たちが飲み食いをして、さてお開き、という段になったときに、
娘が放った一言が衝撃的でした。
それは、
という一言です。
僕は個人的に、この言葉があまりにもショックだったので、
しばらく考え込んでしまいました。
日本の小学校では、皆さんもご存知の通り、
「食べ物を粗末にしてはいけません」
と、教えられます。
5時間目になってもまだ給食を食べ終わらなくて、居残りをさせられて無理やり食べさせられた、、、
という経験が、「トラウマ」になっている、という人も多いはず。
このように、子供にはさんざん「残しちゃダメ」を強要するはずの日本人が、
こと「飲み会」になると、この「残しちゃダメルール」がとたんに希薄になってしまう、
というのは、確かに不思議な現象だとは思いませんか。
それどころか、飲み会で残った料理を一生懸命口に入れようとしている人がいたら、
「無理に食べなくてもいいよ」
「いじきたないよ」
「残しておけばいいよ」
などと、声をかける始末です。
『残しちゃダメ』の教育は、いったい何だったの?
じゃあ、飲み会は例外なの?
と、ハーフの娘でなくとも、そう思いたくなります。
少なくとも、村の伝統的なアカ族の人たちは、
「お金を払って注文した料理を廃棄する」なんていう無駄なことはしないからです。
大人が残した料理は子供が食べて、その残りは家畜が食べますから、ムダがありません。
僕自身、日本を長く離れているので、
一般の日本人とはかなり感覚が離れていると思いますが、
そこを差し引いても、「飲み会で料理を残す日本人」だけは理解できません。
日本ではあれだけ「料理を残さないこと」を子供に教えているのに……。
僕はこのとき、娘に対して申し訳が立たない気持ちで一杯でした。
こういう気分を味わいたくない、というのもあり、
僕はもうなるべく、飲み会というものには、参加しないようにしているのです。