【アカ族の昆虫食】蝶のさなぎの唐揚げは、フライドポテトに似ている

アカ族は、蝶をサナギの状態で捕まえてきて、食用にします。

蝶は、サナギの状態が最も食べごろなんです。

夏のタイ山岳部は、蝶のシーズン

3月中旬にから下旬にかけて、タイの山岳部では一斉に蝶が羽化を始めます。

羽根が全体的に黄色く、日本のモンキチョウとよく似た品種です。

山に住むアカ族は、この蝶のサナギを唐揚げにして食べます。

サナギの唐揚げは、食感がフライドポテトに似ていて、ご飯との相性は抜群です。

サナギを食用にする3つのメリット

サナギを食べるという食習慣。

日本人の感覚だと、その外見から、ついつい敬遠してしまいがちですが、サナギを食用にすることには、いくつか大きなメリットがあります

サナギは捕まえるのが簡単である

当然のことですが、サナギにはまだ羽がはえていません。

そのためサナギは、飛んで逃げる、ということがありません。

これは、かなりデカイです。

アカ族は、セミやコオロギなども食べるのですが、これらの昆虫は、捕まえようとしてたら飛んで逃げていってしまう、ということがよくあります。

つまり、捕獲のために、けっこうなエネルギーが必要になってしまいます

その点、サナギであれば、まるで植物のようにじっとしていますから、ササっと捕獲できます。

こんなにも効率の良い食料捕獲の手段はありません。

サナギは栄養が満点

サナギには、幼虫が成虫に成長するために必要な栄養素が、すべて含まれています。

哺乳類で言うところの冬眠のようなものですから、サナギになって長期間じっとしている間の栄養を、体の中にしっかりと蓄えているんです。

そのため、サナギを食べれば、それらの豊富な栄養素を、効率よく摂取することができます。

常温で保存が可能

またサナギの場合は、数日間は保存がききます。

というか、そもそも、人間が捕獲しなくても、サナギは葉っぱの上でじっとしているのですから、

じっとする場所が、森の中か、捕食者の家か、という違いでしかありません。

そういう意味でも、蝶のサナギを食べる、というのは、非常に理にかなった食習慣なんです。

サナギのデメリット

サナギを食べることは、必ずしもメリットだけではありません。

サナギ特有のデメリットもあります。

それは、時が来ると羽化してしまう、ということです。

3月中旬ごろ、北タイの山では、大量の蝶のサナギが捕獲できるのですが、あまりにも量が多すぎて、1回の食事ではとても食べきれません。

その場合は、唐揚げにせずに、家で保存しておくのですが、

保存している途中で、サナギの中から成虫が出てきてしまう、

というケースも往々にしてあります。そのため…

●捕まえてきたら、数日以内に食べなければならない
●食べずに放っておくと、羽が生えて飛んでいってしまう

というのが、サナギのデメリットでもあります。

しかし、そのようなデメリットを補って余りあるほど、サナギの唐揚げは、かなりの美味です。

唐揚げはケチャップやマヨネーズとよく合う

アカ族の人たちは、このサナギの唐揚げに、ナムプリック(唐辛子のつけだれ)をつけて食べますが、

ケチャップやマヨネーズをつけても、普通においしいです。

サナギの唐揚げは、中はジューシーで、外はカリっとしていて、

まさにフライドポテトのような感じなので、ケチャップやマヨネーズの味とよく合うんです。

サナギ取り体験ツアー

また、先日うちにホームステイをしてくれた日本人のゲストの方が、サナギの唐揚げを「すごくおいしい!」と言ってくれましたので、

「じゃあ、近くの山に、サナギを捕まえに行ってみる?」ということで、

急遽、「サナギ取り体験ツアー」を、行なうことになり、

うちの子供たちと、日本人のゲストの方、合計7人ぐらいで、地元の山林へ出かけ、サナギを探しに行きました。

ただし、このときは、もう既にサナギのシーズンが終わっていたために、

あまりたくさんは取れなかったのですが、それでも、おかず1食分ぐらいのサナギを、捕まえることができました。

もちろん、こうした「珍しい食材」は、市場で買っても、充分楽しいのですが、やはり、自分たちで捕まえに行く、というのは、また格別な楽しさがあります。

それに、こういうアクティビティーは、子供達も大好きですから、村の子供たちといっしょに共同作業をする、という楽しみもあります。

とまあ、こんな感じで、アカ族村での生活は、

基本的に、自然の食材を、自分たちで収穫して、自分たちで調理して食べる、というスタイルです。

こうしたアクティビティーは、随時行っておりますので、関心のある方は、ホームステイのお問い合わせの記事も、是非、ご覧になってみてください!

まとめ

いかがでしたか。

今回は、アカ族の夏の珍味である、蝶のサナギの唐揚げについて、ご紹介してきました。

時期的には、ちょうど水掛祭りの少し前ぐらいですので、もしも3月下旬ごろに北タイの山岳部を訪れる機会があれば、

ぜひ、蝶のサナギの唐揚げにも挑戦してみましょう!

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