今回は、タイの少数民族「アカ族」の言語である、「アカ語」のあいさつ表現を、ご紹介していきます。
しかし、アカ族の人達は、あくまでも「少数民族」ですので、
タイ国内の、どこででも会えるわけではありません。
そこで、まずはじめに、「アカ語を覚えてどこで使うのか」というお話から、していこうと思います。
アカ族の人ってどこにいるの?
アカ族の人をよく見かける場面としては、チェンマイやパタヤのナイトマーケットなどがあります。
ナイトマーケットで、民族衣装っぽいお土産を売っている女性は、だいたいアカ族ですので、
アカ語のあいさつを知っていれば、彼女たちとのコミュニケーションを楽しむことができますよ!
このような、少数民族とのやりとりは、いわば、タイ生活における、ちょっとしたスパイスです。
「タイに住んでいるのに、タイ語以外の別の言語を使っている!」
・・・これってなんだか、すごくエキゾチックな感じがしませんか?
アカ語のあいさつ表現
それでは次に、アカ語のあいさつ表現を、いくつか見ていきましょう。
ご飯食べた?
アカ語の会話表現のなかで、最もメジャーなフレーズは、「ホォヅァヅァマラー(もうご飯食べた?)」です。
「ホォヅァヅァマラー(もうご飯食べた?)」
まずは、このフレーズを、覚えておきましょう。
「こんにちは」という挨拶表現はない
「えっ、挨拶言葉って、こんにちはじゃないの?」
と、考えてしまうかもしれませんが、実はアカ語をはじめ、アジアの諸民族には、もともと「こんにちは」という概念はありませんでした。
現に、アカ族の先輩にあたるタイ人のタイ語でさえ、戦前は「サワッディー・カァ(こんにちは)」という挨拶はなかったんです。
昔はタイ語にも「サワッディー・カァ」という挨拶はなかった
この挨拶が導入されたのは、戦後、タイでも国家で国語教育を推進していくにあたり、「こんにちは」という挨拶が国家として必要になったからです。
そこで新たに創設(?)されたのが、「サワッディー・カァ(こんにちは)」という挨拶です。
これは、中国やベトナム、タイなど、周辺のアジア諸国に共通して見られる現象です。
つまり、もともとアジアには、「こんにちは」という概念がそもそもなかったんです。
そしてそれは、少数民族であるアカ族も同様です。
自分の国を持たないアカ族には、アカ語の学校、アカ語の教科書、アカ語のテレビ番組、というものはありませんから、
当然「こんにちは」という挨拶もない、ということなんです。
では、前置きが長くなりましたが、「こんにちは」の代わりに、何が挨拶言葉として使われるか、というと、
それが冒頭にご紹介した、「ホォヅァヅァマラー(もうご飯食べた?)」という表現です。
では、このことを踏まえた上で、
アカ族の人に町で出会ったときに気軽に話しかけられる、便利なアカ語の挨拶表現を、以下にご紹介していきます。
「食べる」に関する挨拶表現
●ホォヅァヅァマラー
(もうご飯を食べましたか?)
●ヅァデマ
(食べました)
●マヅァーシ
まだ食べていません
ちなみに、「ヅァ」が「食べる」という意味ですが、「ザ」と書いてあるサイトもあります。
しかし、アカ語の発音は、日本語の「ザ」よりも、もっと舌先ではっきりと発音する音です。
そのため、「食べる」というときは、舌先を歯の裏側にちゃんとつけて、「ヅァ」とはっきり発音した方が、通じやすいです。
このサイトでは便宜上、「ザ」と「ヅァ」を、区別して表現しています。
「おいしい」「美しい」など日常の形容詞
また、「おいしい」は、アカ語で「ヨクー:」と言います。
●ヨクー:ミャ
(おいしいです)
●マクー:ニャ
(おいしくないです)
この2つは最頻出ですので、覚えておきましょう。
「ヨクー:(おいしい)」の後ろに協調の「ミャ」をつけて、
「ヨクー:ミャ」
で、「おいしい!」という言い切りの形になります。
また、否定の時は、語頭の「ヨ」を「マ」に変えて、「マクー:」と言うと、「おいしくない」という意味になります。
若干ややこしく感じるかもしれませんが、今回はとりあえず、
●ヨクー:ミャ(おいしい)
●マクー:ニャ(おいしくない)
この2つを、セットで覚えておいてください。
肯定文と否定文については、また次回詳しく、ご紹介していきます。
まとめ
それでは、今回ご紹介したフレーズを、最後にもう一度、おさらいしておきましょう。
●ホォヅァヅァマラー
(もうご飯を食べましたか?)
●ヅァデマ
(食べました)
●マヅァーシ
まだ食べていません
●ヨクー:ミャ
(おいしいです)
●マクー:ニャ
(おいしくないです)
今回の表現を練習して、アカ族の人に食事に誘われたときなどに、ぜひ使ってみてくださいね!
それではまた。
アカ語では「ご飯食べた?」という質問があいさつの代わり。「ヅァデマ(もう食べたよ)」と、元気に答えてみよう。