【アカ族料理】ナムプリック(唐辛子のつけダレ)を野菜につけて食べるのが、一番シンプルでおいしい!

タイ語の「ナムプリック」というのは、野菜などの食材につけて食べる、「つけダレ」の総称です。

塩と唐辛子などを、臼でついてペースト状にしたものであれば、どんな食材で作ったものでも、

名前は「ナムプリック」ですので、タイ生活では非常に便利な言葉です。

「ナムプリック」は、つけダレの総称

「プリック(タイ語で唐辛子)」とは言うものの、

味は特に激辛でなくてもよく、食材は、基本的に、何でも構いません。

例えば、トマトを潰してつけダレにしたものは、トマトのナムプリック、

セミで作ったものなら、セミのナムプリック、というわけです。

そのため、必ずしも「辛い」とは限りません。

要は、「つけダレ全般」ということです。

このように、ナムプリックは、あまりにも便利な単語であるため、タイ語の「ナムプリック」という言葉を、アカ語でも、そのまま使っています。

アカ族の食事には絶対必要なもの

以下に、ナムプリックの代表的なものを、ご紹介していきます。

●セミのナムプリック

●スズメナスのナムプリック

●トマトのナムプリック

●タマリンドのナムプリック

●焼き魚のナムプリック

●焼き豚のナムプリック

…等々、「だいたいどんな食材でも作れるんじゃないの?」と思いたくなるぐらい、実に種類が豊富です。

そして、アカ族の村で生活するには、ナムプリックは不可欠です。

アカ族の日々の食卓においては、

「ゆで野菜を、ナムブリックに付けて食べる」というのが、定番のおかずで、

むしろ、それ以外の何か別のおかずに出会うことは、めったにありません。

別のおかずがある時というのは、「特別なごちそう」という感覚すらあります。

つまり、毎日の食事は、ほぼナムプリック一択、ということです。

こうした状況から、「おかずはないけれど、ナムプリックにはこだわる」ということになり、必然的に、ナムプリックの種類が豊富にあります。

私も、山に住み始めたばかりの頃は、「おかずが少ない!」ということに、多少の不満を抱いてはいましたが、

慣れてくると、毎日野菜とナムブリックを食べるという生活が、意外にヘルシーで、過不足なく、

「実は一番おいしい!」と、思えるようになってきました。

そのように思えるのは、やはり、ナムプリックが、おいしいからです。

基本的に、茹で野菜には、野菜の味しかありませんから、これに味をつけるのが、ナムプリックです。

つまり、ナムプリックさえ美味しければ、日々の食卓も、それに合わせて美味しくなる、というわけです。

「肉はごちそう」という感覚

伝統的なアカ族の家庭においては、

「肉はごちそう」という感覚があります。

そもそもタイの山村では、都市部のように、

「スーパーマーケットへ行けば、いつでも肉が手に入る」

という状態ではありません。

肉は、誰か豚を飼っている人が、1頭を潰したときにだけ、手に入るものです。

そのため、アカ族の人は、毎日の食事で肉を食べないことが普通で、たまの機会の時にだけ、食べるだけです。

私も、今ではこの状態にすっかり慣れて、食事の時に、特に「肉が欲しい」とは思わなくなりました。

「食べているのは野菜だけなのに、なぜ満足できるのか」…その理由は、やはり、ナムプリックにあります。

ナムプリックが美味しいから、これを野菜煮つけるだけで、充分立派なおかずとして成立するんです。

長寿健康の秘訣

また、「ナムプリック生活」に関して、私がもう一つ、注目していることがあります。

それは、長生きできる確率が高くなる、ということです。

タイという国は、意外にも、長寿高齢者の数が多い国です。

タイの地元の新聞では、ほぼ毎月のように、「誰が💯歳を超えた」「110歳を超えた」などの記事が紹介されています。

そして、彼ら長寿高齢者に関する記事を読んでいると、ほぼ全員が共通して、

「毎日新鮮な野菜とナムブリックを食べている」

と書いてあるんです。

これは、見逃すことのできない、なかなか貴重な情報ではないでしょうか。

日本人の感覚だと、

「1日30品目以上」とか、「栄養のバランス」とかが言われますが、

こちらの長寿高齢者は、とにかく粗食です。そして、食品数も少なく、実にシンプルです。

そして、こうした「野菜とナムブリックのみ」の生活は、必然的に、

「肉を食べない」

ということにもつながります。

そして、肉を食べるのをやめれば、性格は、自然と穏やかになります。

「えっ、そうだったの? 信じられない!」と感じるかもしれませんが、

実は、「食べる肉の量」と「怒りっぽさ」は、比例関係にあるんです。

もしも、このことが信じられなければ、ぜひ、実際にあなたの身で、試してみることをおすすめします。

2週間ぐらい、一切肉を食べない生活を続けると、本当に、びっくりするぐらい、性格が穏やかになりますよ!

「いつも穏やかで、怒らずにいること」

というのは、長寿健康の最大の秘訣の1つですが、こうした穏やかな生活を維持するためには、

食べる肉の量を減らすことが必須です。

そのため、毎日ナムプリックと野菜だけを食べている、北タイのおじいさんおばあさんは、長寿健康で生きられる確率がぐっと上がる、というわけです。

また、こうした事情もあって、うちのアカ族村でのホームステイでも、食事の際は肉をほとんど使いません。

でも、「肉を使っていないのに、こんなに美味しいの?」と、ゲストの方から、いつも喜んでいただいています。

関心のある方は、是非、ホームステイのお問い合わせの記事も、参考にしてみてくださいね!