マクア・ポヮン(スズメナス)は、私が個人的に最も気に入っている、山の野菜の1つです。
アカ族の料理に限らず、タイ料理でも、様々なメニューで大活躍します。
マクア・ポヮンってどんな野菜?
マクア・ポヮンというのは、ナス科の植物で、
味は茄子っぽいのに、実が小さく、グリンピースのような外見が特徴です。
味は、茄子とグリンピースを足して2で割ったような(?)味です。
タイ料理の定番、グリーンカレー(ゲーン・キァオワーン)や、
鶏カレー(トム・カーガイ)の具として、よく使われます。
日本語では、「スズメナス」と言うそうです。
一般的な呼び名は?
ただし、日本でマクア・ポヮン(スズメナス)を扱っているのは、
ほとんどがタイ料理店やタイ食材店など、タイ関連のお店ばかりなので、
日本での名称も、「スズメナス」という日本語名ではなく、そのままタイ語で「マクア・ポヮン」と呼ばれることが多いです。
ですので、この際、「マクア・ポヮン」というタイ語の名称で覚えておきましょう。
アカ料理には欠かせない食材
そして、このマクア・ポヮンを、タイ料理よりももっとふんだんに使っている料理があります。
それが、アカ族の料理です。
山のアカ族の家庭では、このマクア・ポヮンを庭に植えている人も多く、豊富に収穫できます。
そのため、アカ族の日々の料理には、頻繁にマクア・ポヮンが使用されます。
卵や豚肉といっしょに炒めたり、スープの具にしたり、ソムタムのように臼で潰したりなど、様々な料理で大活躍します。
マクア・ポヮンの最大の魅力は、苦味です。
タイ料理では、「辛さ」や「酸っぱさ」が強調されることが多く、「苦味」の要素は、あまり多くありません。
そこへ、マクア・ポヮンを投入すれば、
グリーンカレーなどのタイ料理メニューに「苦味」という新しいアクセントが加わって、
絶妙な味わいになるわけです。
ナムプリックにしてもおいしい
また、「苦味」が加わる、というメリットを生かし、このマクア・ポヮンを臼で潰して、
「ナムプリック(唐辛子のつけダレ)」を作ることもあります。
●ナムプリックに関する記事は、こちら
ナムプリックは、基本的に、塩と唐辛子がメインですから、「苦味」の要素はありません。
そのため、ナムプリックを作る上でも、「苦味」担当のマクア・ポヮンは、かなり重宝します。
クセになる味、マクア・ポヮン
マクア・ポヮンは、慣れないうちは苦味が強くて、食べにくいと感じるかもしれませんが、
慣れると、これが意外にやみつきになります。
シーズンは、雨季の6~7月ごろですが、ほぼ通年を通じて収穫されます。
栽培の手間がほとんどかからず、勝手に成長してくれるので、収穫しやすい、というメリットもあり、
このため、アカ族の家庭に行くと、軒先でこのマクア・ポヮンを植えている家庭が、結構多いです。
自然のものが一番
いかがでしょう。
ここまでお読みいただいて、マクア・ポヮンを、ぜひ食べたくなって来たのではないでしょうか。
実際この味は、かなりやみ付きになります。
市場に売っているマクア・ポヮンでも、10分美味しいのですが、やはり、一番美味しいのは、
自然の林の中になっている、野生の実です。
私は先日、山奥の畑に農作業をしに行っていたのですが、その時に、野生のマクア・ポヮンの木が生えていましたので、子供たちが、実を取って来てくれました。
この時に食べたマクア・ポヮンは、これまでに食べたことがないぐらい、想像を絶するおいしさでした。
一言で言うと、「甘み」がありました。
マクア・ポヮンの味というのは、基本的には「苦味」がメインで、ほかの要素はあまりないのですが、
野生の実には、ちゃんと「甘み」があるのだということを、このとき初めて知りました。
もちろん、料理に入れる時も、野生の実の方が、圧倒的においしいです。
ですので、もしも今後、アカ族の村に来られる機会があれば、
ぜひとも、野生の「マクア・ポヮン」の実を、食べてみてください。
本当に、びっくりするぐらい、美味しいですよ!
タケノコによく合う
食材同士の組み合わせとしては、マクア・ポヮンは、タケノコと非常に相性がいいです。
なぜなら、マクア・ポヮンとタケノコは、いずれも、
雨季が旬の食材だからです。
日本では、「旬の食材」というと、何やらグルメや食通のような印象がありますが、
こうした農村エリアでは、「旬の食材」を食べるのが普通です。
というよりもむしろ、旬でなければ食材が手に入らない、という現状があります。
取れたての、新鮮なマクア・ポヮンとタケノコの相性は、抜群です。
この2つを組み合わせておけば、大体どんな料理にしても美味しくなります。
オススメは、ガピ(エビ味噌)を溶かしてスープにすることです。
これも、うちのホームステイでの人気メニューの1つですので、ぜひ、ホームステイのご案内の記事も、参考にしてみてください。
マクア・ポヮンは、タイのローカル市場などでも売られていますので、
ぜひ、スープや炒め物のアクセントとして、
マクア・ポヮンにトライしてみましょう。