アカ族村のホームステイを立ち上げ、はや3年。
村を訪れてくれたゲストの方々からは、様々なことを質問されます。
村での暮らしや、文化や宗教に関すること。
あるいは、私がアカ族村に住むようになったきっかけなどです。
そうした質問のうち、最もよく聞かれることの1つは、
「客層はどういう人が多いんですか?」という質問です。
どういう属性の日本人が村を訪れているのか、というのは、
皆さんけっこう関心があるようです。
1位はもちろん、大学生です。
大学生はやはり、時間とお金にも余裕があり、なおかつ、辺境の地に行ってみたいという願望も人一倍強い世代ですから、
うちのホームステイのゲストも、大学生が最も多数派です。
では、2位は、
どんな職業の人だと思いますか?
じつは、2位は意外にも「日本語教師」なのです。
日本語教師としてタイで就職し、ピッターム(夏休みなどの長期休暇)のときにタイ国内を旅する、という人は少なくありません。
そして、日本語教師の人が学校の休みを利用して、辺境の地を目指し、アカ族村にやって来てくれる、というケースです。
彼らの1人は、その心境を次のように話してくれました。
「海外で貧しい子供たちへのボランティア活動をしたいと思い、日本語教師の職を選びました。
でも、いざタイへ来てみると、タイで日本語を勉強しているのは、中流以上の子供ばかり。
お金を払うから、日本語を特別に教えて欲しいと言われたこともあります。
生徒の中には、お金持ちの子もたくさんいて、こんなにも恵まれた子供たちに日本語を教えていると、
ふと、『一体何のためにタイに来たのだろうか』という気持ちになるんです」と。
実は、このような話を聞いたのは1人や2人ではありません。
タイで活躍する日本語教師の中には、同じように感じている人が少なからずいるんだと思います。
実際のところ、、
タイにおける日本語教育は、ますます「高等教育」としての地位が確立され、
「お金持ちの家の恵まれた子弟が、お金をかけて学ぶもの」になりつつあります。
こうなると、
「貧しい子供たちへのボランティア」
というイメージを持ってタイへやってきた日本語教師の人にとっては、、
「恵まれた子供たちに、高等教育としての日本語を教える」
という現実に対し、大きなギャップを感じることになります。
そして、そういう人がうちのアカ族村ホームステイを体験すると、
「そうそう、タイでこういう生活がしたかったんです!」
と言って喜んでくれる、というわけです。