タイの国内旅行では、夜行バスが安くて便利です。
しかし、デメリットもあります。
それは、「モーチット(北バスターミナル)が、不便すぎる」という点です。
モーチットとは?
「モーチット(北バスターミナル)」というのは、
タイの北部と東北部へ行くバスが発着している、ターミナルの名称です。
北バスターミナルは、バンコクの市街地からかなり遠く、また、周辺の国道も非常に混雑するため、
バスターミナルまで行くだけで、かなりのエネルギーを労してしまいます。
今回ご紹介するのは、そんな不便な「モーチット(北バスターミナル)」まで行かずに、スムーズに長距離バスに乗る方法です。
その長距離バスの名を、「ソンバットツアー」と言います。
ソンバットツアーとは?
「ソンバットツアー」というのは、タイの長距離夜行バスの会社の名前です。
「タイ 夜行バス」などのキーワードで検索すると、
「ソンバットツアー」と「ナコンチャイエアー」、2つのバス会社名が表示されることが多いです。
いずれも、タイの大手の夜行バス会社ですが、
今回は、そのうちの1つである、「ソンバットツアー」のバスチケットの買い方や、乗り方などを、ご紹介していきます。
「ウィパーワディー」へ行こう
まずは、バスのチケットを買うために、実際に、バンコクのソンバットツアーのオフィスまで、行ってみましょう。
「えっ、オンラインで予約できないの?」
という声も聞こえてきそうですが、2018年現在、ソンバットツアーのオンライン予約は、外国人にはちょっと分かりにくいです。
1215 に電話をすると、ソンバットツアーの予約オフィスにつながります。
タイ語ができるか、あるいは、タイ人のパートナーがいるなら、試してみるのもアリでしょう。
ただし、初めての場合は、
現地への行き方や状況を確認しておく、という意味でも、
やはり、下見を兼ねて、一度オフィスまで実際に行ってみるのが良いと思います。
「ウィパーワディー」までの行き方
向かうのは、「ソンバットツアー、ウィパーワディー本社ビル」です。
「ウィパーワディー」というのは、ビルのある道路の名前です。
まず、バンコクの高架鉄道、「BTS」に乗って、北の終点、「モーチット駅」まで行きます。
モーチット駅では、「①番出口」から外へ出ます。
①番出口は、改札を出て右、マクドナルドとワッフルのお店が目印です。
なお、この①番出口のすぐ前には、バンコクの有名な観光地の1つである「チャトゥチャク公園」の入り口もありますから、
ソンバットツアーへ行くついでに、チャトゥチャック公園の「ウィークエンドマーケット」を散策してみるのも良いでしょう。
①番出口から出て、狭苦しい階段を下りると、バイタク(バイクタクシー)が客待ちをしています。
バイクタクシースタンドには、料金表もあり、明朗会計ですから、ぼったくりを恐れる心配はありません。
この時、運転手には、
「ソンバット・トゥワ」
「ウィパーワディー」
「ソンバット・トゥワ ウィパーワディー」
などのキーワードを言えば、ほぼ確実に伝わります。
実際、ソンバットツアーのオフィスは、「ウィパーワディー」の名称で呼ばれることが多いですから、
この記事でも、「ウィパーワディー」で統一しておくことにします。
モーチット駅から、ウィパーワディーまで、バイクタクシーで80バーツ。
ウィパーワディーまでは裏道もあるため、渋滞が一切ない、というのも、高ポイントです。
ウィパーワディーでバスの乗り降りができる
ウィパーワディーの建物に入って、すぐ正面右手に、発券カウンターがあります。
そこで、行き先と日付を伝えれば、バスのチケットを予約することができます。
そして、なんと…
ソンバットツアーでは、北バスターミナルまで行かなくても、
このウィパーワディーで、直接、バスの乗り降りができるんです。
これは、かなりの高ポイントです。
そのため、予約の際は一応、係員に、「ウィパーワディーから乗る」と伝えておきましょう。
また、旅行の日程が決まっているのであれば、帰りのチケットも、この時に買っておくようにしましょう。
つまり、例えば、
イサーンの都市「ウドン」へ旅行に行くのであれば…
「ウィパーワディー ~ ウドン」
「ウドン ~ ウィパーワディー」
の、往復のチケットを買っておく、ということです。
これで、モーチット(北バスターミナル)を一切スルーして、混雑に巻き込まれることなく、夜行バスに乗ることができます。
バスターミナルは、つらい
一方、通常の方法であるモーチット(北バスターミナル)には、
数多くの「デメリット」があります。
北バスターミナル周辺の道路はいつも渋滞していて、夕方にタクシーで行こうとすると、ほぼ100%、渋滞に巻き込まれます。
敷地内は非常に混雑していて、どこから何のバスに乗れば良いのか、迷ってしまいがちです。
また、トイレは有料で、トイレや水を使うたびに、お金が必要です。
バスターミナルは、とにかく人が多いため、ゆったりとくつろいでバスを待つことができません。
ベンチをちょっとでも離れたら、他のバス待ち客に、席を取られてしまいます。
空調がないエリアも多く、夏の時期だと、猛暑の中で、汗を流しながらバスを待たなくてはいけません。
こうしたバスターミナルの数々の深刻なデメリットを、全て解消してくれているのが、
今回ご紹介している、「ウィパーワディー」なんです。
ウィパーワディーを使うメリット
ウィパーワディーのメリットは、上記とは逆です。
つまり…
・空調が完備されている
・裏道があり、渋滞せずに行ける
・トイレが無料
・ウィパーワディー始発の夜行バスがある
…などなどです。
以上を分かりやすく言えば、
「ソンバットツアーのバスに乗るためだけの、ターミナルがある。
その場所が、ウィパーワディーという名前」
ということです。
バスも客も、双方にメリットがある
つまり、ウィパーワディーが始発駅ですから、旅行者は、北バスターミナルまで、行く必要がありません。
これは、なかなか、先見の明のあるやり方だと思います。
実際のところ、旅行客が、バスターミナルへ行くメリットというのは…
「バスの種類や本数が多いため、行けば何かしらバスに乗れる」
というぐらいしかありません。
しかし現代では、タイ人も、「事前に旅行の予定を立てて、チケットを予約する」ということを知っています。
こうなると、「ソンバットツアーのバスに乗る」ということが決まっている乗客にとっては…
わざわざ、北バスターミナルまで行って、混雑の中でバスに乗るよりも、
「ソンバットツアーのオフィスから、直接バスに乗る」という方が、利便性が高いわけです。
また、バス会社の側にとっても、こうした利便性や快適さを提供できていれば、リピーターを獲得できます。
バスでどこへ行けるの?
ソンバットツアーの、バスの行き先は…
- チェンマイ
- チェンライ
- メーサイ
- チェンコン
- ウドン
- コンケン
- ウボン
- ラノーン
- スラタニ
などなど、タイの名だたる地方都市を、おおむね網羅しています。
そのため、私は、タイ国内を旅行する際は、
行き先さえ合えば、ほぼ100パーセント、ソンバットツアーを使っています。
出発当日…
出発の当日は、チケットを予約した時と同じように、ウィパーワディーへ向かいましょう。
BTSモーチット駅の①番出口の改札を出て、階段を降りたところでバイタクに乗って「ウィパーワディー」と伝えれば、OKです。
市街地からウィパーワディーまで、トータルの所要時間は、1時間もかかりませんが、
余裕を持って、バスの出発時間の1時間半ぐらい前までには、BTSに乗っておくとよいでしょう。
バス乗車後の注意点3つ
バスに乗り込んでさえしまえば、もう心配は要りませんが、3つ、注意点があります。
① 軽食休憩
1つめは、「軽食休憩」。
夜行バスは、その途中で、「軽食休憩」というものを挟みます。
バスのチケットの半券で、食事と交換します。
半券は2枚付いていて、1枚めが、乗車に車掌が確認する用。
そして2枚目が、食事券です。
でも、「こんな夜遅くに、食事なんてしたくない!」ということもあるでしょうから、そのときは…
食事券は、ジュースやお菓子とも交換できます。
以上が、1つめの注意点。
② 降車ポイントを伝える
2つめは、地方都市からバンコクへ戻ってくるときです。
車掌は、乗客1人1人に、「ロンナイカァ?(どこで降りるの?)」と、質問をして回ります。
このときは、「ウィパーワディー」または略して、「ウィパー」と伝えましょう。
もちろん、ウィパーワディーではなく、バスターミナルで降りることも、可能です。
その際は、「モーチット(北)」「サーイターイ(南)」など、バスターミナルの名前を答えれば、OKです。
③ 防寒対策
3つめは、防寒対策です。
タイの夜行バスは、エアコンをガンガンに利かせて、「異常なくらい寒い」という特徴があります。
そのため、上着、ニット帽、もこもこ靴下などを、用意しておいた方が良いでしょう。
また、ボタン付きのシャツやブラウスは、ボタンの間から冷風が入ってきて寒いので、
Tシャツなど、カットソータイプの服を着ておくことをおすすめします。
また、ありがちなのが、
「防寒着はすべてバックパックに入っていて、カーゴ室に預けてしまった!!」というケース。
これを避けるため、防寒着は、手荷物にして、座席へ持ち込むようにしましょう。
現地ですべきこと
現地へ到着すると、バスは、「その街のソンバットツアーのオフィス」に、着きます。
例えば、ウドンへ行くなら、
「ウドンのソンバットツアーのオフィスに停車する」ということです。
このとき、現地オフィスの周りの風景を、よく覚えておきましょう。
バンコクへ戻る際も、同じ場所からバスに乗るからです。
また、もしも帰りのチケットをまだ買っていない場合は、
現地のオフィスでも、バンコク(ウィパーワディー)行きのチケットを、買うことができます。
帰るときは、バスが出発する30分ぐらい前に、このソンバットツアーのオフィスに来て、バスに乗れば、完了です。
翌朝、バスはバンコクの「ウィパーワディー」に到着します。
ウィパーワディーでは、到着客も、ビルの中のトイレや休憩所を、自由に利用することができます。
夜明け、おしっこが濃くなっている時でも、「有料のトイレ代」に頭を悩ませる必要はありません。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、タイで最も便利な夜行バス会社の1つである、「ソンバットツアー」のバスの乗り方などについて、ご紹介してきました。
一度「ウィパーワディー」までの行き方さえ覚えてしまえば、後は驚くほど簡単です。
北バスターミナルの混雑に一切悩まされずに、快適にバス旅行を楽しむことができます。
まとめると、
1.BTSに乗って、北の終点、モーチット駅、下車
2.モーチット駅①番出口を出る
3.駅を出たところで、バイタクに乗って「ウィパーワディー」まで行く。料金80バーツ。
4.スクンビットからウィパーワディーまで、BTSとバイタクで、トータル1時間程度。
5.ウィパーワディーで、発券&バスの乗り降りが可能
…と、なります。
地図内では、
「ソンバットツアー・ウィパーワディー・ブランチ」
という英語の名前が付いています。
また、上記の方法を読んで、不明な点があれば、
お気軽に、コメント欄に書いておいていただければと思います。
■ 追記
以上の記事を読んで、
「予約の方法は分かった。でも、予約をせず、当日でもバス停でチケットは買えるのか」
という点が気になりますよね。
こちらの記事も、参考になさってみてください。