「あの世なんて、存在しない」
「人は死んだら、それで終わり」
という人の多くは、おおむね、次のようなことを、論拠していることが多いです。
「人が死後にあの世へ行くなら、なぜ、あの世は霊であふれないのか」
と。
つまり、有史以来、数え切れないほどの人が死んでいるのに、
「死者が全員あの世にいたら、あの世はどんどん死者であふれてしまうじゃないか」
というわけです。
今回は、この世とあの世の関係性について、
少しお話をしていきます。
■ ■ ■
「人が死後にあの世へ行くなら、
なぜあの世は、霊であふれないのか」
と、このように考える人は、ある1つの「思い込み」をしています。
それは、
「あの世が最終ゴールである」という、思い込みです。
つまり、
「あの世が最終ゴールなんだから、そこへどんどん死者が行ったら、あの世はパンクしてしまう」
という発想です。
でも、
もしも、
あの世の先に、
まだ続きがあるとしたら…??
あの世の続き、つまり、死者が、あの世からさらに、また行く先があるなら……
霊は各自、あの世から、次の行き先へ向かうだけですから、
別に、あの世は、霊であふれたりはしないですよね。
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では、実際はどうなっているのでしょうか。
結論を先に言うと…
そして、あの世で生きたあと、
あの世でまた死を迎え、
そのあと、またこの世に生まれ変わります。
これが、霊の転生のサイクルです。
つまり、多くの人が考えている、「あの世では死なない」っていうのは、勘違いなんです。
あの世での一生が終われば、当然、あの世で死にます。
そしてまた、この世に生まれてきます。
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ですので、
「死者は、あの世で、死んだままの姿でいる」
というのも、勘違いです。
あの世で、死者はまた別の肉体で生まれ変わり、
「あの世での、新しい一生」
を送ります。
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ひょっとしたら、
これを初めて聞いた人は、意外に思われるかもしれません。
そこで、
私がこの「転生」のシステムの存在に納得した、あるエピソードを紹介します。
◇
ふだん、私のもとに頻繁に現れる、1人の霊がいます。
私は、その人(仮にAさんとします)に生前お世話になっていて、
Aさんの霊が現れるたびに、「ああ、Aさん」と、挨拶をしていました。
あるとき私が、Aさんの共通の友人である、アカ族の人と同席していた時、
また、いつものようにAさんの霊が現れました。
◇
すると、そのアカ族の友人は、「ああ、Bさん」と、全く別の名前で呼んだんです。
それで私は、
「えっ、Bさん? 彼は、Aさんの霊じゃないのかい?」
と、彼に聞きなおしました。
◇
すると彼は、
あの世での、新しい両親や家族もいる。
Aさんが、あの世で生まれて、新しくつけられた名前は「Bさん」なんだよ。
と言った、というエピソードです。
◇
…私は、この話を聞いたとき、
「ふむ、なるほどー。
それなら、何も矛盾はないよなぁ」
と、すっかり納得できました。
多くの人が「不可解なもの」と考えている、「死後の世界」というものが、
ストンと腑に落ちた感じでした。
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よく考えたら、
Aさんが、ずっとAさんの姿のままで、死後の世界にとどまっている、という考えの方が、
よっぽど理不尽ですよね。
「エントロピー増大の法則」を持ち出すまでもなく、
宇宙の全てが無常なのに、あの世だけが永遠に不変である、というのは、やっぱり、おかしな話です。
それこそ、あの世は死者であふれてしまうでしょう。
でも、そうではなく、
この世での一生が終わったら、
あの世で生まれ、
あの世でも、
同じように年をとり、
あの世でも死を迎え、
あの世で死んだら、
また生まれ変わって、
この世に戻ってくる…
これなら、何も矛盾はなく、
むしろ、生と死を永遠に繰り返すことができる、非常に合理的なシステムだと思えるわけです。
私は、
Aさんの霊が現れたときは、ずっと、生前の名前の「Aさん」で呼んでいたんですが、
Aさんにしてみれば、すでにBさんとしての一生が始まっていますから、
「Bさん」と呼ばれたほうが、しっくり来るのかもしれません。
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また、
故人が、すでにあの世で「生きて」いるのなら、
私たち生者は、その死を悲しみすぎる必要はないですよね。
むしろ、いつまでも死を悲しんでいないで、
「あの世での彼の幸せを願う」ことのほうが重要である、と言えます。
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また、今回の話に関連して…
巨匠、手塚治虫先生の名作の1つに、『日本発狂』という漫画があります。
『日本発狂』では、こうした「あの世の仕組み」がテーマになっていて、
同じように、「この世とあの世を行き来するシステム」が、描かれています。
特に、手塚治虫先生の、こうしたオカルト系の漫画は、「まるで本当に見てきたような」描写が多いですから、
やっぱり、あの世は本当にそうなっていて、手塚先生は、そのことを知っていたのかもしれませんね。
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いかがでしょう。
なんだか、死後の世界に対するイメージも、がらっと変わりますよね。
人は死んで、それで終わりではなく、
あの世へ行って、それで終わりでもなく、
あの世からこの世、この世からあの世、という風に、永遠の生死を繰り返している…
と、このように考えると、
死後の世界の仕組みも、非常にシンプルで、合理的なものに思えてきませんか?