よく、「犬には善人と悪人が分かる」って言いますよね。
非常に不思議なことですが、実際に、犬にはそういう「人を識別する能力」のようなものが備わっています。
これはつまり、
「誰が犬を愛していて、誰が虐待しているのか」
ということを、犬は見分けることできる、ということです。
アカ族の格言にも、このことを教えたものがあります。
「犬は、目の前にいる人間が、犬を殺した者かどうかが分かる」
という格言があります。
今回は、そんな、ちょっと不思議な犬の能力について、アカ族の格言を交えながら、ご紹介していきます。
犬を食べる風習
でも、その前に、「そもそも犬殺しって何?」と、不思議に思っている読者もいらっしゃると思うので、少し説明をしておくと…
イサーン(タイ東北部)の一部地域やベトナムなどでは、
現在でも、悪名高き「犬食い」の風習があります。
そして、アカ族の村でも、昔から貴重な動物性タンパク源として、「犬の肉」が日常的に食べられています。
そのため、アカ族の村には、動物の屠殺を専門的に行なっているプロの「屠殺者」がいるのですが…
その他の牛肉や豚肉と同様、犬も、この屠殺者によって殺され、「犬肉」として解体されます。
冒頭の格言は、犬はそんな屠殺者を「嗅ぎ当てて、吠える」という、犬の不思議な能力を表したものです。
つまり、匂いをかいだだけで、「犬を殺す人間がわかる」というのです。
我が家では当然「犬食い」は禁止
ちなみに、誤解のないよう、お断りしておくと…
私は、犬の肉を食べたことは一度もありません。
私も家で「家族の一員として」犬を飼っていますから、そうなるとやはり、「犬を食べるなんて、とんでもない!」と、思うわけです。
さて、「犬食い」の是非はさておき、今回の格言で興味深いのは、
「犬には、誰が屠殺者かが分かる」という点です。
虐待者を見分ける能力
これには果たして、科学的根拠があるのかないのか…
考えられる可能性としては、
●犬の怨念が屠殺者にとりついている
●犬を殺すと何か物質のようなものが付着する
●人の「カルマ」のようなものが犬には見える
…等々、いずれも実に興味深いので、今後の研究テーマにしていきたいと思います。
しかし、実際、うちの村にも、「犬肉の解体者」という職業の人がいるのですが…
彼がうちに来ると、犬が必ず吠えます。
やっぱり、何かを感じ取っているのかもしれない、と思うわけです。
ここで、我が国を振り返ってみると、日本でも、「犬には犬好きの人間が分かる」なんて言いますよね。

はっきりとした原因は不明であるものの、少なくとも犬には、
「誰が犬の味方で、誰が犬の敵か」
ということを察知する能力がある…ってことなんでしょう。
まとめ
タイには野犬が多く、特に、地方を散歩していると、1日に1回以上は必ず、野犬に遭遇しますよね。
普段何気なく接している、犬との関わりのなかで、「自分が犬好きかどうかを、実は、犬は見抜いている」と、考えたら…
なんだかちょっと、身が引き締まる思いがしませんか?