人は死ぬとどこへ行くのか~幽霊って何?幽界と霊界の違いは?

人は死んだあと、どこへ行くのか。

これは、人類の永遠のテーマです。

今回は、アカ族に代々伝わる、死後の世界の秘密について、少しかいつまんで、お話ししていこうと思います。

この世界は、現実世界、幽界、霊界、の3重構造である。

幽界の上に霊界がある

一般に私たちは、「幽霊」と一括して読んでいますが…

厳密には、私たちの死後の状態には、幽体と霊体の2種類があります。

そして、この2つは全く別物です。

私たちが心霊写真や心霊スポットなどで「見えた」と言っている、いわゆる幽霊は、幽体のほうを指していることがほとんどなんです。

「幽体離脱」っていう言葉を聞いたことありますよね。

体から、タマシイが離れる、というやつです。

この「幽体離脱」という言葉は、「人の体からは、霊体ではなく、幽体が出て来る」ということを、如実に表しています。

世界は3重構造になっている。

よく「死後の世界」って言いますよね。

でも、全体としては、私たちの生きている現実世界と死後の世界は、単純な二極構造をしているのではありません。

実際のところは、3重構造になっています。

それが、冒頭にご紹介した、

  • 現界(現実の世界)
  • 幽界(2つの中間の世界)
  • 霊界(霊体のいる世界)

という3重構造なんです。

幽界ってどこにあるの?

幽界というのは、私たちの現界と霊界のちょうど間にある世界で、

霊体よりも前段階の、幽体たちがいるのが、幽界です。

霊界は、幽界よりもさらに高次の世界で、

幽体たちは、その存在すら知らない、と言われています。

そのため、私たちの現実世界での生活では、霊界とはほぼ接触はないんです。

幽霊(幽体)が人間と接触しようとする理由

一方、幽界は、私たちの住む現実世界と隣接しています。

そのため、現実に未練のある幽体は、人間に対して接触を求めてきます。

「霊が見えた」というケースのほとんどは、幽界にいる幽体が見えた、というケースです。

そこで、今回タイトルに掲げた「幽霊はどこに住んでいるの?」という質問に対しては、「幽霊は、現界に隣接する幽界に住んでいる」と答えることができます。

幽界の先に霊界がある

そして、ここが大切なところですが、

幽界は、霊界よりも低位の世界です。

そのため、「霊が見えた!」と、喜んでいてはいけないんです。

あなたが見えたものは…

現世に未練を抱き、幽界をさまよっている、霊界に行くことのできない幽体や、

あるいは、人に危害を加えようとしている低級霊である可能性が高いですから、

本来それらは、現界にとどまっていてはいけない存在なんです。

日本の言い方で言えば、「成仏」させなければいけない、ということです。

3重構造は世界中で説かれている

また、不思議なことに、死後の世界の存在を説いている古今東西の文化は、

いずれも、現実世界、幽界、霊界の3重構造に言及しています。

このサイトでご紹介しているアカ族の文化しかりで、アカ語では、「幽体」と「霊体」を、別の単語で区別しています。

その他チベットや、日本古来の古神道でも、幽界と霊界の2つを、明確に区別しています。

霊魂の存在を認めていない仏教でも、「中陰」という言葉があり、これは、現実世界と死後の世界のちょうど中間の世界を表した言葉です。

そもそも日本語に「成仏させる」という言い回しがあるのは、「幽体のその先の状態がある」ということを、暗示していると思いませんか?

二極思考は捨て去らなければいけない

このように、世界の3重構造は、様々な文化で説かれているのですが、

なぜか現代人は、「現実世界と死後の世界」という二極的な発想をしてしまいがちです。

そして、「現実世界と死後の世界」という二極思考は、さらに現代人を「人間と幽霊」「いるかいないか」という、これまた二極思考に陥らせてしまいます。

幽界(幽霊)に囚われていると、本質を見失う

霊感が強い人が見ているのは、あくまでも、幽界の出来事です。

本当はさらに先があるのに、「幽霊はいるかいないか」という、表面的(?)なことに囚われてしまうと、肝心の本質を見失ってしまいます。

肝心の本質とは、これまでご紹介してきた、

現実世界、幽界、霊界の3重構造です。

これを理解するには、「あるかないか」「いるかいないか」という二極思考ではなく、

「あるとすればどういうものか」「その先はどうなっているのか」という、もっと柔軟な発想が必要なんです。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、「人は死ぬとどうなるのか」と題し、世界の3重構造についてのお話をしました。

  • 現界(現実の世界)
  • 幽界(2つの中間の世界)
  • 霊界(霊体のいる世界)

要は、この世界にいるのは、人間と幽霊だけではない、ということなんですね。

幽界の上には、霊界があります。

霊界の存在を考えようとしない限り、死後の世界の本質的な理解には到達できません。

このサイトでは、東南アジアの少数民族、アカ族が伝える死生観を、彼らの伝統の格言を交えつつ、ご紹介していますが、

「人間か幽霊か」ということに囚われていると、その先のもっと重要なことを考えることができなくなってしまいます。

大切なのは、世界の3重構造を知ることです。

これは、私たちが死後の世界を考える上で、必ず知っておかなければならない、最も重要な真実です。

まずはこのことを、死生観の入り口として、ぜひ覚えておいてください。

それではまた。

この世界は、現実世界、幽界、霊界、の3重構造である。

「人間か幽霊か」という二極思考をしていると、本質を見失う。