「タイの紙幣は、50バーツ札だけ、流通量が極端に少ない」
これは、タイ生活がある程度長い人であれば、ほぼ100%経験したことのある『タイあるある』の1つです。
タイで、「50バーツ札が少ない!」と感じるのは、
たとえば、次のようなケースです。
タイでお買い物をして、お会計が<158バーツ>だったとします。
日本人ならここで、おもむろに小銭を数え始め、「一の位を8」にして、<208バーツ>で支払うこともよくありますよね。
これは当然、「208-158」で、お釣りをキッチリ<50バーツ>にする、という目論見があってのことです。
しかし、
タイでは、50バーツの釣銭を、「20と20と10」の3枚で渡されることがよくあります。
#タイあるある
お会計158バーツで、
わざわざ208バーツ払ったのに、
お釣りを20-20-10で渡される。50バーツ札の流通量少なすぎ😵 pic.twitter.com/T8EnoBL2tz
— でんいち🇹🇭タイ文字を最も効率的に習得する方法教えます (@mlxism17) 2019年1月27日
日本人は、これをされてしまうと…
「えぇっ、お釣りを50札一枚にするために、わざわざ小銭を出したのに、結局小銭を合わせて50にするの??」
と、釈然としない気持ちになってしまうわけです。
しかも、これだけではありません。
この「小銭3枚」というケースを、もう一歩踏み込んで考えてみると…
42⇒20+20+2(3枚)
45⇒20+20+5(3枚)
50⇒20+20+10(3枚)
60⇒20+20+20(3枚)
と、いずれも3枚で、「小銭の枚数に変わりはない」という事態になります。
つまり、
お釣りが41でも、42でも、45でも、
はたまた、50でも60でも、
どのパターンであっても、小銭は「3枚」になる、ということなのです。
なんだか、まるで超常現象のような、キツネにつままれた気分ですよね。
ここで、冒頭のテーマ。
「だったら、お釣りをちょうど50にする意味なくね?」
と、なります。
こうした事態を招いてしまうのは、とりもなおさず、
「タイで50バーツ札の流通量が少ないから」です。
でも、そもそも、なぜタイでは、50バーツ札の流通量がこんなにも少ないのでしょうか。
言い方を変えると、
なぜタイでは、50バーツ札と20バーツ札の流通量に、ここまで差が付いてしまっているのでしょうか??
この理由は、おそらく、
タイの庶民生活では、「5~20の価格帯のもの」が非常に多いからだと思います。
近年、タイもインフレが激しいですが、それでも、地方の農村地帯であれば、今でも、5バーツ10バーツのものが多く売られています。
こうなると、50札があっても不便なだけで、「20札が一番使い勝手が良い」というわけです。
実際のところ、
私自身、タイの山奥での生活においては、20バーツ札が一番重宝します。
それはやはり、軽食、野菜、コメ、おかず、などなど、すべて20バーツ札一枚で買えるからなのです。
まさしく、「ワンコイン」というやつです。
タイもインフレが進んでいるとは言え、やはり、タイの庶民生活で「ワンコイン」と言えば、
それは、100でも50でもなく、「20バーツ札」を指します。
日本では、二千円札が廃れて、五千円札が勝ち残っていますが、
タイは、この逆。
というわけです。
なかなか、面白い現象ですよね。
タイ生活では、なるべく、お財布に20バーツ札をキープしておくようにしましょう!