近頃、タイの田舎町では、バイクにつけた「幌(ほろ)」のような風防を、よく見かけますよね。
都市部では、バイクの利用者は年々減っているような印象ですが、地方都市では今も、バイクは最も一般的な交通手段です。
そのため、今年の雨季は、いわば「風防フィーバー」となりました。
今回は、そんな、ちょっとユニークなバイクの風防を、取り上げてみました。
(※今回の記事は、北タイ情報誌『ちゃ~お』の第345号、『写真は語る』のコーナーに、掲載されたものです。)
「屋根付き風防」って何?
緑、黄色、ピンクなど、様々な色の風防を付けたバイクが走り回るさまは、上から見ると…
まるで、パラソルを使ったマスゲームを見ているようで、「圧巻」です。
でもこれ、「晴れた日はどうするの?」って思いますよね。
実は、晴れた日も、つけっぱなしにしておくんです。
理由は、「外すのが面倒くさいから」というのと、もう一つ、「日よけになる」という、タイならではの効能があります。
意外なメリット
そのため、8月現在、ピーク時の7月から比べると雨量はかなり減ってきているのですが、
この「雨よけ風防」は、「雨も防げて、日差しも防げる」ということで、今も、北タイの田舎では大活躍です。
また、「日差しを防ぐ」というメリットの他には、レインコートを着たり脱いだりしなくていい、という素晴らしいメリットがあります。
特に、タイ人は、世界有数の「めんどくさがり」ですから、
「レインコートをわざわざ着たり脱いだり干したりするぐらいなら、濡れたほうがマシ」
と、考える人も多くいます。
そのため、レインコートを着る手間がはぶけて、なおかつ雨に濡れない…
というのは、面倒くさがりのタイ人にとっては、まさに、素晴らしい「魔法の商品」というわけなんです。
こうした事情から、冒頭の写真の「屋根付き風防」は、北タイの田舎町では、空前の大ヒット商品となりました。
デメリットは?
私は使ったことがないので、詳しい実用性はよくわからないのですが、
見た印象として、4点の「デメリット」が挙げられます。
「邪魔」「危ない」…など数々のデメリットがある
まず、停める時に「邪魔」であること。
バイクは、停める時に車体を傾けますから、やたら「のっぽ」のバイクが斜めになると、横のスペースを、かなり圧迫します。
2つめのデメリットは、「実は足が濡れる」という点で、これは結構深刻なデメリットです。
だって、足が濡れるぐらいなら、上下セパレートのレインコートを着用したほうが、よっぽど雨は防げますし、
「だったら、風貌の意味なくね?」って感じですよね。
3つ目は、強風に耐えられないこと。
強風が吹く、この風防が、まるでパラシュートのように、「ぼわっ」と膨らんでしまうのではないか…という心配があります。
4つ目は、片付けが困難なことです。
特に、多くのタイ人は、物の管理が苦手です。
そのため、今年の雨季が終わって、この風防を取り外した時、ズボラなタイ人は、はたして、来年の雨季まで保管しておくが、できるのでしょうか。
それとも、来年の再使用を待たずして、「粗大ゴミ」になるのか…今後の動向に、期待したいところです。