「塞翁が馬(さいおうがうま)」という言葉があります。
意味は、
「目先の出来事だけで、人生の幸不幸は判断できない」
というようなニュアンスがあります。
今回は、この「塞翁が馬」という故事について、
その意味や、実際の活用方法などについて、ご紹介していきます。
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「塞翁が馬(さいおうがうま)」は、もとは、中国の故事が出典で、
中国古代の前漢の時代、「淮南子(えなんじ)」という書物に書かれています。
「塞翁(さいおう)」というのは人の名前ですから、「塞翁が馬」とはつまり、
「塞翁さんという人が飼っていた馬のお話」
という意味です。
では、そのストーリーを、簡単に見てみましょう。
しかしある時、この塞翁の馬が、逃げていってしまいました。
周囲の人たちは、「馬が逃げていってしまうなんて、なんて不幸なんだ」と言いましたが、
塞翁はこれに対し、「このことが幸福に繋がるかもしれない」と言いました。
◇
それからしばらくして、塞翁のもとを逃げて行った馬が、多くの良い馬を引き連れて、塞翁の家に戻ってきてくれました。
周囲の人たちは、「こんなにたくさんの良い馬が来てくれて、なんて幸福なんだ」と言いました。
でも、塞翁はこれに対し、「このことが、不幸に繋がるかもしれない」と言いました。
◇
ある日、塞翁の息子が、これらの馬に乗っていた時に、
落馬して、足の骨を折り、歩けなくなってしまいました。
しかし塞翁は、「このことが、幸福に繋がるかもしれない」と、言いました。
◇
1年後、異民族との間に、戦が起こりました。
村の多くの若者は徴兵され、戦で命を失いましたが、
塞翁の息子だけは、足を折っていたために徴兵されず、戦で死なずに済みました。
こうして、塞翁は、息子や馬たちと、幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし
…大まかに言うと、こんな感じのストーリーです。
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つまり、この故事は…
「一見すると、どう見ても不幸にしか思えないようなことであっても、それが原因で、幸福になることもある」
または反対に、
「一見すると、どう見ても幸福にしか思えないようなことであっても、それが原因で、不幸になることもある」
という、人生の真理を教えたものです。
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「塞翁が馬」は、正式には、
「人間万事、塞翁が馬(じんかん・ばんじ・さいおうがうま)」
と、言います。
「人間(にんげん)」ではなく、「じんかん」と読みます。
「人間(じんかん)」とは、「人々の世の中」という意味。
そして「万事(ばんじ)」は、「すべてのこと」という意味です。
つなげると、
「福が災いに転じることもあるし、災いが福に転じることもある」
ということになります。
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私たちの人生においても、こうした「塞翁が馬」のような出来事は、よくあります。
たとえば、
「彼女に振られた後で、実は、その彼女が重度のメンヘラだったことが分かって、ホッとした」
なんてのは、よく聞く話ですよね。
逆に、
「学生時代に慣れないモテ期を経験してしまったがために、本当の愛情を見失ってしまった」
というのも、よくある話です。
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私自身…
これまで、さまざまな紆余曲折があって、バンコクやその他の地方都市を転々とし、
どういうわけか、タイのこんな山奥で暮らすことになり、
なお且つ、今では、山暮らしを最高に満喫できているわけですから、
人生というのは、本当に、何が幸いするか、分からないものです。
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たとえ、不幸に思えるような出来事があっても、
それがきっかけで、人生が好転する可能性は、十分あります。
ですので、目先の出来事に一喜一憂せず、
「人間万事、塞翁が馬だよねー」
と、受け流していく柔軟さを、身につけていきたいものです。