8月、うちのアカ族村でも「ブランコ祭り」が開催されました。
ブランコ祭りとは、
「村ごとに大きなブランコを作って、みんなで乗って楽しむ」
という趣旨のアカ族伝統のお祭りです。
ブランコの高さは4mを超えるものもあり、
ビジュアル的にもかなりインパクトがあります。
そのため、
近年ではアジア好き、祭り好きの外国人にも知られつつあるのですが、
外から来る客がこの祭りに参加する際に、1つだけ、「致命的な問題」があります。
それは、「直前まで開催日が分からない」という点です。
そのため、遠方の人は、
祭りに参加する予定を事前に立てることができないのです。
このお祭りは、日付が決まっておらず、
月齢で決まるのか言うと、そういうわけでもありません。
元々、村単位で行なわれるお祭りであるため、長老が吉日を選んで、その日に開催します。
そのため、長老が決定するまで開催日は分からず、なおかつ、村ごとに開催日も違います。
一応、「8月末から9月上旬の間」というのがボンヤリ決まってはいるのですが、
「そのうちのいつなのか」というのが、本当に、直前まで分からないんです。
そのため、8月になると、うちもよくゲストの方から、
「今年のブランコ祭りはいつですか?」
という問い合わせをいただくのですが、
そのたびに、「直前まで分かりません」という回答をして、参加を諦めてもらうのが常でした。
しかし、今年は「どうしてもブランコ祭りに参加したい!」というMさんという女性がいて、
彼女はなんと、
2週間ぐらいの長期の休みを取って、祭りが行なわれるであろう期間、北タイ全体を旅行しながら待機する、という計画を立てました。
祭りの日程が分かり次第、それに合わせてチェンラーイ県へ向かう、というスケジュールです。
たしかに、
それなら参加できそうです。
しかし、
「いつ開催されても参加できるよう、スケジュールを空けておく」
というのは、やはり普通は、なかなか真似できることではありません。
なんとも、素晴らしい熱意です。
こちらも、その熱意と心意気に感服しました。
そして、Mさんの思いになんとか応えたいと思い、
全力で、彼女に来てもらうためのセッティングを行ないました。
直前には、うちで子供が熱を出したり、先方の予定が変わったりなど、トラブルもあったのですが、
最終的に、Mさんは、
無事祭りの前日に我が家へ到着することができました。
そして、3日間にわたって、
伝統のブランコ祭りを満喫してもらうことができました。
「開催日が直前まで分からない祭り」
……なんとも非合理極まりない話ですが、
だからこそ、参加できた時の喜びもひとしおで、ステキな思い出になるのだと思います。
もしも来年、9月頭にまとまった休みが取れそうなら、
あなたもブランコ祭りに参加してみますか?