タイの法律というのは、時に「えっ、なんでそんな決まりになってるの?」と、理由が非常に不可解なものがあります。
今回お話しするのは、タイのイミグレーション(入国管理局)の話。
タイの長期滞在者には、悪名高き、「90日レポート」という義務があります。
これは、
「タイ王国での滞在日数が、連続して90日を超える者は、イミグレにその旨を報告しなければならない」
というもの。
まぁ、この法律に関しては、
「なんでわざわざそんなことしなくちゃならないの?」
と感じている外国人も多く、よくネット記事にもなっているので、
ここで特に文句を書き綴るつもりはありません。
ただ、私がこの法律で最も違和感を感じるのは…
「タイに住む外国人は、タイから一歩も外へ出ないだろう」
という前提があることです。
上記の90日レポートですが、これを出さなければならない人というのは、
「90日間連続してタイに滞在した人」です。
逆に言えば、
「90日に1回、海外旅行をしている外国人は、別に90日レポートは出さなくて良い」
ってことになります。
ということは、この法律の意味は…
「しょっちゅう国外に出ている人のデータは必要ないが、ずっとタイにいる人のデータは必要」
ってことですよね。
でも、その基準って、いったい何の意味があるの?って思いませんか。
そもそも、タイという国は、
「海外旅行の延長で住んでいる」という人も多く、
そうなると、「毎月海外旅行に行っている」なんていう外国人も、ざらにいます。
それに、近年ではタイ人も、贅沢になってきて、わりとよく海外旅行へ行きます。
つまり、タイでも、海外旅行というものが一般的になってきて、
「タイ人だからってずっとタイにいるわけではない」
という人が増えているんです。
実際のところ、当のタイ人も、外国人に対して、
「この休みは、どこか旅行へ行ってきたのかい?」
なんて質問したりしますし、
この90日レポートを書かせているイミグレの職員自体が、
けっこう頻繁に海外旅行へ行っていたりします。
でも、どういうわけか、タイのイミグレは、
「外国人は、タイから一歩も外へ出ないだろう」
ということを前提にして、各種決まりを作っています。
90日レポートの義務、というのは、まさにその象徴ですから、私などは、非常に違和感を覚えるわけです。
つまり、現在のタイは、
●タイ人⇒海外旅行がしたい
●在タイ外国人⇒タイから一歩も出ない
みたいな感じです。
まぁ確かに、タイにそういう外国人が多いのは事実なんですが、なんとも変な法律だなぁ、と思います。