タイでは、「ごみのポイ捨て」が非常に多いです。
これはもちろん、タイ人のズボラな国民性も、原因の1つではあるでしょう。
しかし、国民性ともう1つ、私が「タイでポイ捨てが多い最大の原因」だと考えていることがあります。
それは…
「タイの町に、ゴミ箱の数自体が少ないこと」
です。
タイへ旅行に行ったことのある人なら、
「あー、確かに」って思いませんか?
■ ■ ■
例えば、バンコクの町を歩いているとき…
ふと小腹がすいて、お菓子を買って食べるとします。
すると、お菓子のゴミが出ますよね。
あなたは当然、「ゴミを捨てよう」と思って、周囲を見渡すのですが、
タイでは、「視界に1つもゴミ箱がない」ということがよくあります。
結果として、日本人は、次のコンビニまで、ゴミ箱を探しながら、ゴミを握りしめて歩くハメになります。
要は、街の規模に対して、ゴミ箱の数が少なすぎるんです。
■ ■ ■
私も、長男が小さい頃に、よく長男を連れて、街へ行ったのですが、
その際、長男には、「ゴミは、ゴミ箱まで持っておきなさい」と、厳しく教えていました。
でも、タイの街には、本当に、ゴミ箱がないんです。
長男はそのたびに、何分もゴミを握りしめて、ゴミ箱を探さねばならず、少し可哀相になったのを覚えています。
■ ■ ■
タイ人も、最近では「ポイ捨てしない」という人も増えてはきましたが、
でも、それはやっぱり、知識層の少数派です。
大勢のタイ人は、「視界に1つもゴミ箱がない」という状況だと、ポイ捨てをしてしまいます。
なぜなら、「ゴミ箱を探すのが面倒だから」です。
「いや、ポイ捨てはだめって言うけど… ゴミ箱が全然ないじゃん。
ゴミ箱を探して歩きまわるぐらいなら、ポイ捨てで良くね?」
ってなもんです。
■ ■ ■
これは、バンコクの繁華街に限らず、
タイは、だいたいどこへ行っても、ゴミ箱の数が少ないです。
ロータスやビッグCなどの、大型スーパーでも、
「ゴミ箱は、玄関とトイレだけ」
ということが多いです。
ゴミが確実に出るであろう、肝心の、フードコート的な場所に、ゴミ箱が無かったりします。
■ ■ ■
こうなると、
「ゴミのポイ捨てをやめさせる」という以前に…
「ごみをゴミ箱へ持っていく」という習慣が、身につきません。
そもそもゴミ箱が無いからです。
目に見えるところにゴミ箱が無いのに、「ゴミ箱に捨てましょうっ!」と教えても、効果が薄いんです。
「わざわざ何分も、ゴミを握りしめて、ゴミ箱まで持って行かなくっちゃいけないの?」
ってなもんです。
■ ■ ■
まとめると、
タイ人に、「ポイ捨ては良くない」と教えるためには、まず何よりも…
●学校、役所、道路、店舗など各種施設に、十分な数のゴミ箱を設置すべきである
と、思うわけです。
(つづく)