タイは「微笑みの国」なんて呼ばれていますが、
ある一方では、我々日本人が見たらびっくりするような、
「非情」な一面もあります。
今回は、そんなニュースをご紹介します。
2018年7月12日、チェンマイのお堀で、無許可で貝をとっていたミャンマー人の2人組の男が逮捕された。
その後、このニュースがフェイスブックに投稿されると、タイ人の若者からは、一斉にミャンマー人2人組を激しく非難するコメントが相次いだ。
コメントの中には、
「チェンマイは悪い外国人であふれている」
「奴らは人間以下だ」
「死刑にすべきだ」など、暴言とも言える内容も多く、話題を呼んでいる。
ある識者は、この現状をいたく悲しみ、次のようにコメントした。
「たかが貝をとっていたぐらいで、ここまで非難が殺到する現状は、異常である。
犯人がタイ人なら、これほど炎上はしなかったはずだ。
いつからタイは、こんなにも外国人労働者を見下し、排斥する国になったのか。」
というニュースです。
けっこう、意外な一面だと思いませんか?
■ ■ ■
日本では、あまり知られていませんが、
実は、
タイ人は元々、「上にへつらい、下に厳しい」というようなところがあります。
昔流行った、「タケちゃんマンの歌」のような、
「強きを助け、弱きを憎む」という精神性です。
そして、今回の記事は、タイ人のそうした傾向が年々強まっていることを、如実に表しています。
こういう報道があると、タイ人たちは、口をそろえて次のように言います。
「犯罪を犯しているのは、外国人労働者ばかりだ」と。
まぁ、そういう面も否定できないんですが、
あえて外国人の立場から言わせてもらうと…
やはりタイ人は、外国人を見下し過ぎなんです。
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外国人というか、もうちょっと厳密に言うと、「タイ人以外の非白人」という立て分けです。
タイ人庶民の多くは、
心の中で、タイ以外のアジア人を見下しているところがあります。
そしてそれは、相手にもあからさまに伝わります。
おそらく、タイ在住のミャンマー人労働者たちは、
「見下されている」という感覚を日常的に持って、生活しているんだと思います。
これは、彼らの勝手な被害妄想などではなく、
本当に、タイ人は、
ミャンマー人やカンボジア人労働者を下に見て、ぞんざいに扱います。
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私は、ミャンマー人の犯罪率が上がっているのは、タイ人側にも原因があるんじゃないかな、と考えています。
簡単に言うと、
「ここまで無下に扱われたら、ひねくれるのもしょうがない」
という感じです。
タイで出稼ぎを終えたミャンマー人が、
「タイ人雇用主に感謝する」なんてのはレアケースで、大抵の場合、
「二度とタイ人雇用主の顔は見たくない!」
と、うらみつらみを抱えて、母国に帰ります。
こういうのは、普通にタイに滞在しているだけでは、なかなか見えてこないんですが、
うちのように、
・タイ族と、アカ族
・タイ族と、ミャンマー族
というようなやりとりを目の当たりにしていると、
タイ人の「上にへつらい、下に厳しい」という精神性が、よく見えるわけです。
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ただ、タイ人の名誉のために、一言だけ付け加えておくと…
タイ人は、
我々がマンツーマンで接する分には、非常に優しいです。
ただ、彼らがアジア人労働者に接すると、途端にそういう「見下す」という精神性が出てしまう…ということです。