ここ最近、タイ各地のスーパーで、
「ビニール袋は渡さない」
という環境保護的なキャンペーンが流行しています。
一見すると、
「タイ人もやっと、環境問題に関心を持つようになったか…」
と、良いニュースのようにも思えますよね。
しかし、タイの場合は、そう一筋縄ではいきません。
タイ人は、何かある行動をするときに、
と、盲目的に真似をしてしまうようなところがあります。
タイ人は、「先進国の真似事」が本当に大好きなのです。
なので、今回の「ビニール袋は渡さない」というキャンペーンも、
結局のところは、ただの「先進国の真似事」です。
つまり、タイ人は…
「ビニール袋を廃止した」というただその一点だけで、
自分たちも「先進国の人たちと同じように」環境を保護している気になっている
ということなのです。
はっきり言って、
タイ人の「消費・浪費・無駄」は、目に余るものがあります。
たとえば、「ストロー」です。
タイの場合は、ビニール袋なんかよりもまず、「ストロー」を廃止すべきだと思います。
タイの商店には、
「ストローはボトルの本数分だけつける」
という謎のサービスがあります。
これは、多くのタイ人が、缶ジュースでもペットボトルでも、
「ストローを1回につき1本」使おうとするからです。
たとえば、タイのコンビニでペットボトルを3本買ったら、
使いもしないストローが、きっちり「3本」ついてきます。
ラッパで飲む人にとっては、このストローは当然ゴミになります。
だったら、「タイでゴミを減らしたい!」と真剣に考えるのであれば……
お店で「袋は要りますか?」なんてことを聞くよりも、「ストローはおつけしますか?」と聞くことの方が、よっぽど重要だと思いませんか?
ストローはボトルの本数分だけつける」
という謎のサービスは、本当、無駄なことこの上ないと思うのです。
また、タイの場合は、これ以外にも…
「食べ残しが多すぎる」
という問題もあります。
むしろこっちの方が、環境破壊としてはよっぽど「深刻」です。
しかもタイ人には、
「食べ残しを次の食事に食べるなんていやしい。
食べ残しは全部捨てる」
という文化があり、これはもう完全に時代に逆行しています。
そのため、
「夕食の残りは翌朝の朝食にしなさい」
という、日本では当たり前の指摘が、タイではことのほか嫌がられます。
そのくせ、ビニール袋にだけは、異様にこだわる。
「環境保護のためにビニール袋は渡しません」
と言っているタイ人が、飲食店では料理を2品も3品も余分に注文して、残りは捨てる…
という、なんともアンバランスな状態です。
これは、とりもなおさず、
「何のためにそれをするのか」
ということが、タイ人は分かっていないからです。
「目的は、地球上のゴミを減らすことである」
という、大局的な目的意識が、完全に欠如してしまっているんです。
ただただ、
「先進国の真似事」です。
これはまさしく、
途上国あるあるです。
そして、「先進国の真似事はカッコいい」という、ただそれだけの動機で、ビニール袋「だけ」を削減し、
その他の大量のゴミや食べ残しについては、改善しようとも思わない……
これが、タイの現状です。
タイ人が本当にゴミの削減に取り組むようになるには、まだあと10年以上はかかるでしょう。