Wikipediaで、「ヒト」という言葉を、検索してみたことはありますか?
おそらく、動物や植物について調べることはあっても、
「ヒト」は、あまり調べないのではないでしょうか。
このたび、Wikipediaの「ヒト」の項に関する、嬉しいニュースが報道されました。
今回は少し、そのお話をしてみたいと思います。
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Wikipediaで、「ヒト」を調べてみると…
なんと、
「ヒト」のページのイメージ画像には、
「アカ族」の画像が使われているんです。
これって、すごくないですか?
つまり、どういうことかというと…
Wikipediaの「ヒト」の項を執筆した学者は、
「ヒトを最も象徴する画像は、何が良いだろうか」
と模索した結果、アカ族の画像を採用した…
ってことです。
実際、これに関するニュースを読んでみると…
アカ族の画像が採用されるまでに、5年もの歳月が費やされ、その間、「ヒトを象徴する画像は何か」というテーマで、学者たちの間で激しい議論が続けられた
と、あります。
そして、最終的に、ヒトのイメージ画像は、「アカ族」となりました。
これは、「アカ族.com」としては、非常に嬉しいニュースです。
おそらく、「アカ族が大好き!」という読者の皆様には、共感をしていただけるのではないでしょうか。
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では、ここで一度、
Wikipediaの「ヒト」の項に、アカ族の画像が採用されたことの「意味」について、考えてみたいと思います。
例えば、
私たちは、「動物や植物のことを知りたい」と思って、Wikipedia内を検索しますよね。
でも、人間が「ヒト」について調べる、という機会は、そんなにありません。
「あれ、ヒトってどんな生き物だっけ?」
なんてことを、普通は考えないからです。
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では、「ヒト」に関する情報を、今後最も必要とするのは、一体「誰」だろうか、
ということを、突き詰めて考えていくと…
それはきっと、宇宙人ではないか、と思うわけです。
これは、SF的な、侵略とか陰謀とか、そういう話ではなく、単純に、
「もし宇宙人がいたら、当然、地球人のことを詳しく調べようとするよね」
ってことです。
将来、宇宙人が、今よりももっと日常的に地球に現れるようになった頃、宇宙人たちはきっと、
「ヒト」について書かれた書物や文献などを、読みあさるはずです。
もしも、その頃に、インターネットというものがまだ残っていれば、Wikipediaも、宇宙人に読まれる可能性はあります。
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その時、宇宙人は、「ヒト」の項を検索し、アカ族の画像を見て、
「なるほど、『ヒト』ってのは、こういう生き物なんだな」
という知識を得ます。
ちょっと大げさな言い方をすると、この宇宙人にとっては、「ヒト = アカ族」になります。
これは、なかなか象徴的です。
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たとえば、
ある宇宙人が、別の宇宙人から、「地球人の画像を見せてください」と言われたときに、どんな画像を選択するか、と考えてみると…
その画像は決して、
・スマホを眺めていたり
・スーツを着てオフィスで仕事をしていたり
・紙幣を握り締めていたり
そういう画像ではないだろう、と思います。
なぜなら、それらの画像でなされている行為というのは…
この20世紀の前後に、たまたま「ヒト」が覚えただけの習慣に過ぎず、
「ヒト」が、数万年の歴史を通じて続けてきたことではないからです。
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「ヒトとはどんな生き物か」を知ろうとする者は、やはり…
・どのような巣を作って、
・どのように生殖していくのか、
ということに、関心を持つはずです。
実際のところ、私たちが動物や昆虫を調べるときも、そうした「生態」に関する情報が、中心になりますよね。
つまり、宇宙人にとっては…
現代人を観察するよりも、アカ族をはじめとする、東南アジアやインド、アフリカなどに住む少数民族たちの生態を見たほうが、「ヒト」というものがよく理解できる
…ということです。
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逆に言えば、
現代の先進国に生きる「ヒト」をいくら眺めてみても、「ヒト」の本質は分かりません。
・スマホを眺めていたり
・スーツを着てオフィスで仕事をしていたり
・紙幣を握り締めていたり
これらは、「ヒト」の本質ではなく、
たまたま現代に流行している、習慣に過ぎないからです。
千年前は、誰もやっていませんでしたし、千年後もおそらく、やっていない可能性があります。
つまり、これらの「現代的な」生態は…
「ヒト」の一側面を表すことができても、「ヒト」全体を象徴する、とは言えないわけです。
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「ヒト」という種族が、
「1万年前も、千年前もやっていて、千年後も、1万年後もやっているであろうこと」
というものを、突き詰めて考えていくと…
それはやはり、アカ族をはじめとする、少数民族の「ヒト」たちが、連綿と受け継いでいる、「生きるための営み」ではないか、と思うわけです。
「Wikipediaの『ヒト』の画像が、アカ族の夫婦」
というニュースは、まさに、そのことを象徴しています。
なんだかちょっと、ワクワクしませんか?
※話題のWikipediaのページは、こちら
(ちなみに、読んでみると分かりますが、ちゃんと別の惑星の人が読んでも分かるように書いてあって、面白いです)