アカ族の若者の間で流行している「ある手続き」とは
近年、北タイ山岳部に住むアカ族の若者たちの間で、ある手続きが流行しています。
それは、「改名手続き」です。
「王子様くん」が改名に成功
先日、日本で
「王子様というキラキラネームを付けられた少年が、無事改名手続きに成功した」
というニュースが報じられていました。
(キラキラネームとは、常軌を逸した名前を意味する若者用語)
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今日の新聞より
赤池王子様さん→赤池肇さんに
おめでとう pic.twitter.com/Mzw34nA8HT— TÅMÅ (@KenkenSushi) 2019年3月9日
日本は、改名のための手続きが非常に煩雑で、
裁判所に「相当である」と認められなくてはいけません。
そのため日本では、「ちょっと名前を変えてみたい」などというような思い付きで変えることはできず、
今回の「王子様くん」のように、よっっっぽどの事情がないと、改名はできないんです。
タイの改名手続きは?
では、タイの改名手続きは、どのようになっているのでしょうか。
じつは、タイという国は、改名のための手続きが「おどろくほど簡単」なのです。
なんとタイでは、住所のある郡の役所で申請さえすれば、「誰もが気軽に」名前を変えることができます。
たとえば、私の知り合いにも、2度の改名歴があるタイ人女性がいます。
彼女は大の占い好きで、占い師に「絶大な幸運を呼ぶ名前」なんてのを付けられた際、矢も楯もたまらずに役所へ駆け込みました。
そしてなんと、その日のうちに改名の手続きをしたそうです。
それも、2回も。
要は、それぐらいタイは、改名手続きが簡単だということです。
さて、前置きが長くなりましたが、
ここで、冒頭のテーマです。
なぜアカ族の若者の間で、
改名手続きが流行しているのでしょうか。
アカ族の若者がタイの名前に改名する
アカ族の少年少女たちの中には、
戸籍上、アカ族風の名前の子と、始めからタイ人風の名前を付けられている子、2種類います。
しかし、前者のアカ族の名前の子供たちが大きくなって、自分で役所の手続きができるようになると、
彼らの多くは、タイ風の名前に改名しようとします。
具体的には、アムーとかアバーのようなアカ族風の名前を、エカポップとかサーウィットリーのようなタイ人風の名前に変えてしまう、ということです。
こうして、アカ族風の名前の子はどんどん数が減少していき、
大多数のアカ族の子が、戸籍上も「タイ風」の名前を名乗るようになっているんです。
(つづく)